針ノ木岳(マヤクボカール) 山スキー

日程  2006年6月10日 (夜行日帰り)
行動  扇沢--針ノ木雪渓--針ノ木岳--マヤクボカール滑降--扇沢
メンバー 寺西(考) 徳山  新井

 12月の忘年山行から始まった僕の山スキーシーズンも、とうとう最終回。いつもの年は「これで今シーズンも終わりかなぁ・・」と思いながらあいまいな気持ちで板を脱ぐのだが、今年は僕自身の予定などもあり、「6月の第2週が滑り納め!」と以前から決めていた。そんな6月10日にバッチリ晴れがやってきて気分よく滑り納めをすることが出来ました。



大沢小屋

 前夜、サッカーW杯の開幕戦をラジオで聞きながら扇沢に到着。ドイツが勝ちそうだ。すぐに仮眠して明日に備える。
 翌朝は6時に起きて、7時に歩き始める。もっとスキーヤーがいるかと思いきや、数えるほどしかいない。これは意外だった。新緑の中、スキーを担いでまずは大沢小屋を目指す。登山道に入ってからはスキーが木に引っかかって難儀する。さながらイナバウアーをしながらヤブを抜けていく感じだ。登山道を使ってショートカットするよりも急がば回れで林道を歩いたほうが楽かもしれない。それでも時折現れる新緑の緑と残雪の白のコントラストには心を洗われる。
 8時過ぎに大沢小屋に到着。ここからは針ノ木雪渓に降り立ってシール歩行。目立ったデブリもなく快適に高度を稼いで行く。途中、毎年針ノ木にスキーに来ているという人と話したのだが、今年は雪解けが3週間ほど遅れているとのこと。普段の年だとGWのあとくらいが今日の雪の量らしい。ふむふむなるほど。
 さてさて我々は針ノ木峠を目指す本谷とは別れて2250m付近で右に折れ、マヤクボカールを直登して山頂への最短ルートをとる。本谷と別れてすぐにシール歩行が限界になってアイゼン歩行に切り替える。あとは、針ノ木岳と峠の間の白い斜面をひたすらまっすぐ登って行くだけである。ヒィーヒィーいいながらとにかくがんばる。なんたって今シーズン最後の登りなのだ。おだやかな陽気のせいか考さんは眠気に襲われているようだ。
 12:20稜線に到着。しばらく休んで山頂を往復。片道10分ほどだ。風もなく穏やかな山頂でしばらくのんびーりした。ほかに登山者もなく静かな山頂だった。白馬から立山・剣、槍穂まで見ることが出来た。
そして体も休まった14時、滑降を開始する。


針ノ木岳山頂でのんびり


マヤクボカールを滑る

 滑り出しは結構な急斜面だ。もっと山頂よりの狭いルンゼ状のラインを滑る手もあったが、最後だし怪我してもしょうがないということで、ひろーい斜面を選択。一応リーダーということで僭越ながら小生を先頭にカールに飛び込んで行く。普段あまり先頭を滑ることがないのでなんだか変な感じである。雪は適度にやわらかく、腐っているという程でもないので非常に快適。あとから続く徳山さんも考さんも楽しそうにターンして降りてくる。「これだけ滑れれば、あとは無事にさえ降りれば最高だぁ」と思いながら僕は滑っていた。1ヶ月のブランクからか太ももがパンパンになったが・・・。あっという間に針ノ木の本谷と合流。このあたりからはいわば「処理モード」で落石や木のくずなどを避けながら滑っていった。最後は谷の左岸沿いに滑って1550m付近まで滑ることが出来た。あとはとぼとぼ歩いて20分ほどで扇沢に到着。今回だけでなく今シーズンの無事の終了を3人で喜び合った。あ〜幸せ。

 天候にも恵まれ、想像以上のいいコンディションの中、滑り納めをすることが出来ました。今シーズンは本当に天候に恵まれていい思いしてきたけれど、最後の最後まで天候には恵まれました。歩いている間は今シーズンのいろいろな場面を回想したりと、気持ちの面からもしっかりと今シーズンを締めくくれたような気がします。
ご一緒いただいたみなさん、お世話になりました。これからもよろしくねがいします。 シー ハイル!

2006年6月19日 記

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