谷川岳〜赤谷川源頭〜万太郎山〜毛渡沢〜土樽 山スキー

日程  2006年3月25日
行動  谷川岳ロープウェイ--谷川岳--オジカ沢の頭--赤谷川源頭滑降--万太郎山--
     毛渡沢滑降‐-土樽
コースタイム 天神平7:30--肩の小屋9:45--オジカ沢の頭11:30--赤谷川滑降終了12:00
         --万太郎山14:00--土樽駅17:00
メンバー  岩崎 徳山 寺西(考) 新井

 数年前から舘野さん、森田さんからいいコースだという話を聞いていて、ずっと行きたかったコースを今回行くことができた。天候・メンバーなど条件が限定されるコースだが、最高の天気の中を行動することができた。前回の計画時は悪天のため転進を余儀なくされてしまったが、それにもめげず沖縄から文字通り飛んできた岩崎さんの執念がきっと晴れを呼び込んでくれたんだろうと思う。思い出深いながーい1日となった。


快晴の天神尾根を登る

ど真ん中!
 念願のコースをとうとう実行する日がきた。ここぞとばかりに高気圧がやってきてくれて、天気図では高気圧のど真ん中に入った。朝7:00の始発ロープウェイで天神平着。最初はシールで登りだす。しかし、最初のアップダウンでスキーを担ぐことになり、結局オジカ沢の頭まではスキーは担いだ。9:45に肩の小屋に到着。2時間ほどでここまできたので、なかなかのペースだ。ここからはアイゼンをつけ、オジカ沢の頭を目指す。ほとんど無風で条件的にはこの上ない。途中、雪の割れ目に埋まったり、急な雪壁が現れて補助ロープ(15m)を使うなどあったが無事オジカ沢の頭に着いた。真っ白な赤谷川の源頭が見渡せる。ウキウキしてくる。が、万太郎の登り返しもキツそうだ。それより、あたりには雪崩の跡がいくつかあり、しかも先週の巻機山と同じように底雪崩の様相を呈していた。ちょっと不気味である。
滑降パート1
 さて、ここからは今日の滑降パート1である。1761mのコル方面に少し滑ってから赤谷川に飛び込んで行く。とにかく広いのでどこを滑ってもいいし、どこでターンしても大丈夫。まわりもまだまだ滑れそうな斜面がたくさん。立ち止まっては写真を撮ったり、あたりをキョロキョロ。すごいスケールだ。途中からは直滑降のようにして沢が左に大きく曲がる地点で滑降終了。ちょっと長めの休憩で万太郎への登り返しに備える。ここで徳山さんから「ドラゴンフルーツ」なる果物がメンバーに振舞われる。キュウイのようなスイカのような不思議な果物だった。いつもごちそうさまです。一日中ボケーっとしていたいくらいあったかくて静かな沢底だった。
 


広々とした赤谷川源頭


1452m台地から万太郎からの大斜面をバックに(後ろのピークが万太郎)

 ゆっくり休憩した後は万太郎への500mの登りだ。先行者のトレースを拝借して高度を稼ぐ。1ピッチで登った記録をよく読んだが我々は2ピッチかけて万太郎のピークに到着。今度は仙ノ倉が大きく立派な姿を見せてくれた。先週の悲しい遭難事故がうそのようである。
 さて、いよいよ今回一番の大滑降である。山頂から1452mの台地が視認できたのでそれをめがけて一気に4人滑る滑る滑る。今シーズン一番のスケールの滑りだった。滑っているだけでも疲れてしまうので1452mの台地で休憩。考さんは毛渡沢の滑りに備えてワックスを塗る。それにしてもこの台地は万太郎と仙ノ倉に抱かれてとてもいい場所だった。シッケイ沢にはシュプールも見えた。いつか行ってみたいなぁ。
 この台地からはブナ林に入って行く。快適な斜度のブナ林を滑ると毛渡沢に合流、今度は沢底を滑って行く。スキーが滑らないと大変なところだと思うが、我々は先行者のトレースのおかげでビュンビュン飛ばすことができた。仙ノ倉谷もまだほとんどが雪に埋まっており吊り橋は使わなくても渡ることができた。結局土樽駅に向かう車道まで滑り込むことができ(途中デブリなどで2回板を脱いだ)、20分ほど歩いて土樽駅に到着。ナイスタイミングで列車が来て、土合へ。長かった1日が終わった。充実感と疲労感、ホッとした気持ちも混じって心地よかった。

 とにかく今年是非行きたかったコースを最高の条件の中、行動できたことがうれしかった。スキーの技術、体力、アイゼン歩行などなどたくさんの要素が詰まったところもこのコースの魅力だと思う。山スキーをやる人ならぜひ一度は訪れてほしいコースだと思う。

 今年は天神平のスキー場始まって以来の豪雪らしく、山行当日の3/25の天神平の積雪量は590cmとのことだった。しかし、雪が多くて苦労するようなところはなかったと思う。もっと積雪が少なくても実行可能ではないかと思う。とにかく、晴天が約束された日に足の揃ったメンバーで駆け抜けるコースだと思う。毛渡沢に入ってからはスキーが滑るかどうかがスピード、体力の消耗度合いを決定すると思うのでスキーの手入れは念入りに。スキーが滑らないことを想像するとゾッとします。
 それと前日の仮眠場所は土合駅にしていたが、ロープウェイの駅にも仮眠している人がいて、こちらのほうが断然快適そうである。

2006年3月29日 記

トップページへ
山スキーの記録へ