槍・穂高(新穂高から周遊コース) 山スキー


日程  2008年5月3日〜5日
行動  1日目  新穂高温泉--飛騨沢経由--槍岳山荘
     2日目  槍岳山荘--大喰岳--大喰カール滑降--天狗原--横尾谷右俣滑降--涸沢ヒュッテ
     3日目  涸沢小屋--白出のコル--白出沢滑降--新穂高温泉
コースタイム
     1日目  新穂高温泉(6:30)--槍岳山荘(15:25)
     2日目  槍岳山荘(7:30)--涸沢ヒュッテ(12:40)
     3日目  涸沢小屋(6:40)--白出のコル(8:40)--白出沢出合(11:00)--新穂高温泉(12:40)
メンバー 新井(L) 岩崎 徳山


飛騨沢をひたすら登る
今年のGWは、飯豊方面に行くはずだったが諸事情により計画中止になり、急遽自分がリーダーとなり、槍穂高方面への小屋泊まりでのスキーに変更となった。
槍穂高方面はスキーでは訪れたことがなく、小屋泊まりにすれば腰の状態が万全ではない自分にはちょうどよい計画だった。



【1日目】
前夜発だったが、GW前夜の渋滞にはまったりして3時に新穂高温泉に到着。5時まで2時間だけ寝て、6:30に新穂高温泉を出発。今日は標高差2000mを稼ぐ10時間くらいの行動になる予定だ。このコースを一日で駆け抜けるスーパーマンもいるようだが、まったくすごい人もいるものだと思う。
槍平を11頃に通過。年末年始に発生した雪崩は確かに信じられないと感じた。槍平で標高約2000m、ここからさらに標高差1000mを稼がなくてはならないのだ。夏道のコースタイムは5時間。岩崎さんの「5時間歩いてりゃ着くんだから」という言葉にそれもそうだと踏ん張って登る。

結局新穂高から9時間かかって15:25頃、槍岳山荘に到着。他の登山者には追い抜かれることはほとんどなく、あとから山荘に着いた人に「早かったですね〜」と言われたりした。ペースはともかくもうちょっと余裕を持って登りたいものだと思った。

山荘には、十数人の外国人パーティーが宿泊していて、立山から日本オートルートを来ているらしい。しかもイギリスから。イギリス人にも日本オートルートは魅力的に映るのだろうか。ウェストンの存在も影響しているらしく「上高地」にはこだわりがあるらしい。

この夜は、睡眠不足もあってしっかり寝るようにした。

槍岳山荘に到着

常念を横目に大喰カールを滑降
【2日目】
大喰カールを滑れるのは、雪が緩む8時過ぎだと考え、6時にゆっくり朝食をとる。が、外国人パーティはとっくに出発していて、大喰カールを滑走していた。なんとまあ。
7:30に山荘を出発。大喰岳を目指して歩く。すぐに到着して、滑走準備。雪は十分に緩んでいる。

約ひと月ぶりの滑走にちょっとだけ緊張したが、この手の緊張はワンターンで解消するもの。すぐにリラックスして滑ることができた。しかし、今シーズンの「ヤカイ沢エビ反り転倒」がなかなか頭から離れず、慎重に下る。

カール上部は雪質もよく、思い通りのターンができた。
しかし下部になってくるとすでに雪が重く、うまくターンできない。ザラメともまた違う雪質なのだ・・・。などと下手な人ほど雪質に文句を言ってしまう。

まぁ、この天気の中、健康で暇な体でこんな所を滑っていられるだけでも相当幸せなことなのだ。うむうむ。
ツバメ岩の下を通過し、ダケカンバ(?)の疎林に入ったところでシール歩行に切り替え、天狗原を通過し、横尾尾根を乗っ越す。天狗原付近は確かに槍を眺めるにはいいところだ。



大喰カール滑降(肉眼では富士山も見えてました)

横尾谷右俣を滑る(右上方から合流するのが涸沢)
今度は横尾谷右俣の滑降だ。雪質は予想通りでさらにデブリの登場である。しかたあるまい、処理モードで滑る。涸沢との出合までは下らずに右岸をトラバース気味に進んで涸沢に合流した。予想通りの人の多さである。

ここからは、歩きの人を横目にシール歩行。雪の上ではスキーのほうがずっと早いのだ。


12:40に鯉のぼりが泳ぐ涸沢ヒュッテに到着。テラスはすでに大勢の人で埋まっていた。おでん、ビール、ラーメン、ジュースにアイスとなんでもある。

4枚の布団に6人で寝るといった具合の混み具合だった。

明日は天気が下り坂らしい。

涸沢ヒュッテの賑わいよう

白出沢を滑る
【3日目】
朝起きると、小雨が・・・。すぐに朝食をとって、6:40に出発。気温は8度くらいで、朝から雪はグサグサである。つぼ足で白出コルを目指す。

直登ルンゼを下から見られればなんて考えていたが、ガスで見えなかった。2時間ほどで穂高岳山荘に到着。風が強い。雪も多いように感じた。すぐに白出沢の雪質の確認をしたみる。やわらかい。すぐに滑走可能であると判断。小屋で一休みして、滑走準備。

ヘルメットをかぶって9時頃、白出沢に飛び込む。斜度は適度で、雪質もまあまあ。下が見渡せないのがちょっと残念といったところか。

まずは大滝のまき道がある2200m付近まで一気に下る。途中からはデブリも出てきてさぁ大変。太ももがパンパンに。さらに僕はこういうところでは足の裏もなぜか疲れる。

止まっているときは常に上部からの落石に注意して3人交互に滑る。
見上げている写真をみると、なんだか急な斜面に見えるが、写真ほどではない(と思う)。もっとも危険なのは落石だと思っていたが、僕が見る限りでは、落石は見かけなかった。もちろん雪の上には転がっていますが・・・。


2200m付近からは右岸にあるはずのまき道の発見に気を遣いながら滑る。右から荷継沢という顕著な沢が合流してすぐにまき道があるのでわかりやすかった。ご丁寧に赤布まであった。いったんスキーを脱いで担いで夏道を下ることに。


白出沢を見上げる

白出大滝の巻きを終えて滑る(見えていないがすぐ右奥に大滝がある)
大滝の下で白出沢に右から合流する沢(左の写真の左の沢です。右が白出沢で、すぐに大滝があります)があるので、歩きにくい夏道からから早めに離れて沢に降りた。が、デブリと落石だらけで滑ることはできず、少し雪の上を歩いた。

大滝下はデブリも減って滑りやすくなった。出合までひと滑りである。
下に中崎尾根が見えてくると、いよいよ滑降も最終段階である。雪を拾いながらうまく滑って行くと新穂高から来る夏道との合流点まで滑ることができた。

ここまでくればひと安心。白出小屋からちょっと行ったところで雪が途絶えたので、スキーを脱いであとは新穂高までテクテク歩いた。

行きには気付かなかったが、新緑や山桜がきれいだった。


12:40に小雨降る新穂高温泉に下山。
3人で無事の下山を喜んだ。

雪を拾いながら白出し沢出合へ

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2008年5月6日記