泉水谷 小室川谷

日程    2007年7月28日〜29日
行動    28日  小室川谷出合〜小室川谷遡行〜中ノ沢出合(泊)
       29日  泊〜小室川谷遡行〜稜線〜大菩薩嶺経由で小室川谷出合近くの車
メンバー  新井(L) 北 嶋
コースタイム 28日 小室川出合(11:00)--石門通過(15:00)--中ノ沢出合(16:15)
         29日 泊(6:00)--稜線(11:15)--小室川出合近くの車(15:00)


水量豊富 バシャバシャ
 さて、今回は小室川谷に行ってきました。金曜夜発が無理だったので近場の1泊の沢と思って計画しました。昨年、隣の大黒茂谷を遡行していて、なんとなくなじみある感じだったので・・・。
 戦前の予想では、結構苦労するだろう・・・と思っていました。さて、ほんとに自分で行けるだろうかと。


【当日】
半分不安になりながら、当日を迎えました。泉水谷林道の小室川谷出合付近に車を止める。さぁ出発!と、小室川谷出合を発見できず1時間近くウロウロするなんてこともなく、11時に小室川谷に入っていく。
水が冷たいのと多いのにちょっと驚く。泳ぎは不可能に思われた。
最初の難関はS字峡だ。水量が多く、とてもひとつ目の滝を越せそうにないので、高巻いて懸垂ルートを視察。なんだか着地地点の水流も多く、その先もゴーゴー水が流れていたので、全て高巻くことにした。これに1時間半くらいかかった。松尾沢を使ってようやく本流に戻った。

この次の難所は右岸に残置ロープのある滝だった。リードして登ったが、ケツが割れそうなくらい足を開いて力づくで登った(たぶん僕が下手なだけです)。後続の二人を確保。
続いて現れるのが、小室ノ淵だ。ここは予想より簡単だったが、やっぱり水が冷たすぎた。高巻くか、ちょっと泳ぐか3人で右往左往したが覚悟を決めて、エイッ!と泳いだ。泳ぐといっても「けのび」1mくらいだけど・・・。それくらい水も冷たかったのです。
 もともと、中ノ沢出合が幕場の予定だったが、あわよくば蛇抜沢出合まで・・・と思っていたがとても無理だった。16:15頃中ノ沢出合に到着し、適当な幕場を見つけてテントを張った。
いつもののように薪を集めて、さぁ焚き火だ!と思ったが、思いのほか火の点きが悪いのだ。さっきの泳ぎで濡れてるのにぃ。最後はロウソクまで持ってきて着火を試みたが、細い枝には火が点くが、中くらいの木に全く火が点かなかった。こんなのはじめて。確かに薪は濡れてたけど・・・。しょうがないのでコンロで飯を作って食べて、河原は寒いので、とっととテントに入って宴会となったのでした。
ここで北さんに「新井さんでも飲めるワイン」なるものをいただいた。確かに甘くて梅酒のようで、飲みやすかった。しかし、ほんのちょっと飲んだだけで、コテッと寝てしまった。いけないお酒だ。
どのくらい寝たのかサッパリわからないが、一度起きたあとも眠そうな僕を見かねて、二人が寝ましょうと言ってくれたので何時だったんだろう、明日は4時起きということで就寝。

石門 水も流れてました

4段30mナメ滝 
【2日目】
4時に起きたものの、まだ暗いのでしばらくのんびり。明るくなった頃、むくむくとテントを出て、パスタをちゃっちゃと食して、6時に出発!
 今日の難所は、4段30mの最上段かな、と推測。
はじめは簡単な河原歩きから始まって、やがて10mの滝の左岸を高巻いているところで30mのナメ滝が姿をみせた。近づいてみるとやっぱり最上段は難しそうにみえた。ロープを出して慎重に登って行く。ハーケンが途中に3本ほど打ってありランニングもとれた。最後の最後の落ち口のところが難しく、あと2歩くらい先にある残置シュリンゲが取れれば越えられそうなのだが、そのシュリンゲは悲しいことにプイッと上流のほうを向いていて、手が届かないのであった。何度かシュリンゲなしで越えることも試みたが落ちそうなのでやめる(これもぼくが下手なだけでしょう)。
しかたなく、ハンマーを取り出し、ハンマーを何回も投げて、シュリンゲを引っ掛ける作戦を試みた。20回くらい投げただろうか、ようやくシュリンゲがこっちを向いてくれて、手が届いた。しっかり効いている様なので、シュリンゲをつかんで突破。ロープを固定し、後続の2人には、タイブロックで登ってもらった。ふぅ〜。シュリンゲを頼らないといけないのは情けないけど、これが実力。

ここから先はそんなに難しいところもないだろうと想像していたので、ちょっと気が楽になった。
20m2段の滝も難なく登ることが出来、写真のとおりきれいでもあった。これをこれを越えて、蛇抜沢を出合を見送るとようやく水量が減ってきて、時折伏流するくらいになってきた。それでも、シンナソーくらいはあるか。

20m2段の滝 

笑顔で稜線に ホッ・・・
11時くらいには稜線に出られるだろうかと思っていて、おおむね予想通りの11:15頃稜線に出ることが出来た。稜線直下50mくらいはでっかい蜂がブンブン飛んでいたので、沢から離れて斜面を詰めた。これも昆虫に好かれる嶋さんがおびき寄せたかららしい。

 明るい稜線に出て、ホッ。ここからは、もう登山道歩きなので気分はだいぶ楽になった。ハーネスをはずしてちょっと重くなったザックを背負って、大菩薩嶺を越えて、丸川峠経由で車に戻った。

車に戻ったときは、ほんとにホッとした。
よかった〜、ちゃんと帰ってこれて。

なんとかなるだろうと思ってはいたが、結構苦労もあるだろうと思っていた。その通りになった。
沢の登攀技術も生活技術もまだまだ未熟な感は否めない。でも、なんとか無事降りてきたんだし
ちょっとは成長しただろう。
さぁ次の沢だ!

2007年7月30日 記
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