大白川シロウ沢ワカゴイ沢

日程   2007年10月6日〜8日
行動   10/6 銀山平--砂子平--大白川遡行--シロウ沢遡行--ワカゴイ沢遡行(80mゴルジュ上で泊)
      10/7 引き続きワカゴイ沢遡行--平ヶ岳--姫ノ池にて集中(泊)
      10/8 姫ノ池--鷹ノ巣
メンバー 田中(L) 浅原 飯田 岩崎 新井
コースタイム  10/6 砂子平(8:40)--シロウ沢出合(12:00)--80mゴルジュ入口(15:10)--
              ゴルジュ出口(16:20)--幕場(16:40)
          10/7 幕場(8:20)--平ヶ岳山頂(14:30)--姫ノ池(14:50)
          10/8 姫ノ池(6:40)--鷹ノ巣(10:10)


カゴの渡し
 さて、今回は僕にはこの沢シーズンのメインイベントになる、シロウ沢ワカゴイ沢に行ってきました。さらに今回は会の集中山行計画で、平ヶ岳沢、恋ノ岐と我々シロウ沢の3つのパーティーが平ヶ岳で集合するという企画でもある。天気予報は上々で、3日目は雨に降られるかもしれないというかんじ。脅威の晴れ男岩崎さんがいるから心配ないでしょう。

【1日目】
前夜銀山平まで入って、朝、車でそれぞれの入山口に移動。我々は砂子平まで車で移動して、森田さんと舘野さんに車を鷹ノ巣まで回送してもらった。
 砂子平からいよいよ入渓。カゴの渡しで只見川本流を渡って、大白川に入っていく。しばらくは沢の横を走る踏み跡をを歩く。今日は80mゴルジュを越えるのが目標なので、朝からペースが上がっていく。ちょうど12時頃、いよいよシロウ沢に入っていく。このあたりからはヘツリの連続。雪に磨かれたのか、本当に両側が切り立っている。
シロウ沢ワカゴイ沢は終始微妙なスタンスに立たされ、息つく暇もなく緊張が続く(という感じ)。滑ってもほとんどがドボンで済むのだが、腰まで水に浸かると冷たいを通り越して、足が痛くなってくるのくらいなので、水には落ちたくないし・・・。

そんなこんなしていると、とうとう80mゴルジュに到着。さあ行くぞと仁さんを先頭に左岸をヘツリはじめる。第一の滝はターザンの要領である。残置シュリンゲにほとんどぶら下がって越えた。第2の滝も左岸をヘツル。仁さんが取り付くが、後ろからみていて、ほとんどスタンスがないように見えた。あんなところいけるのかなぁ〜と思ってみているとかなり微妙な感じだったが仁さんは無事通過した。さすがである。ただ仁さん曰く「途中でザックを捨てたくなった」そうである。後続の4人はザックを背負っては無理という判断で、ザックはロープで吊り上げてもらい、体ひとつで登ることに。ここはシュリンゲの間隔があいている上に、シュリンゲがなんとも心もとないのであった。しかし行くしかないので、えい!と力づくで越える。第3の滝はそれほどでもなくノーロープで越えられた。
ふ〜これで第一の難関は突破である。

80mゴルジュ入り口「気合入れて行くぞ!」 

ゴルジュ内第2の滝落ち口
 ゴルジュの先からはテン場を探しながら歩く、いいところがいくつかあったが、いきなり18m2段滝が現れた。ここは明日に取っておこうということで、すこし戻って、左岸の台地にテントを張って、たき火をおこした。

ここは意外に空が大きく見えて、星空がきれいな夜だった。浅原シェフのタイ風カレーやたくさんの嗜好品、各種お酒がいろいろ出てきて、ビックリした。自分の舌はホントに子供並だなぁと思ったのでした・・・。


【2日目】
岩崎効果はまだまだ威力十分で今日も晴れである。昨日見た、18m2段滝がまず難関である。仁さんがまず取り付くが上部のツルツルのところがなかなか越えられず、滑りおちたりしてしまう。ザックを置いて、空身でまずは仁さんが越えた。
そして、仁さんにロープを出してもらい、確保してもらいながらゴボウで登った。ゴボウなら問題ないが、トップで行くとなると、ちょっと自分には・・・と思わせるようなところだった。

この先も、ホッとは出来なかった。遡行図にあったツッパリで越える小ゴルジュなどは比較的楽しかったが、やっぱり緊張させられるところがあって、なかなか気が抜けない。この一歩が滑ったらまずいぞ〜と思いながら、恐る恐る足を出して行く感じである。沢登りって危険なことなんだなぁって今更ながら感じながら歩くのでした。

18m2段滝上部

そろそろ厳しいヘツリも終わりほっとする
そんな遡行中にも、青い空と緑のコントラストは素晴らしくきれいで、心をすこし安らげてくれた。
他の2パーティーは順調に進んでいるだろうかなんて考えながら歩いていた。

沢はワカゴイ沢に入ってから、一気に高度を上げるようになり、背後には燧ケ岳がきれいに見えた。
稜線が見えるようになると、いよいよ草原の始まりである。厳しいゴルジュが下にあるとは思えないくらい穏やかな草原が広がっていて、とても気持ちよかった。癒されるぅ〜。

草原に出ると浅原さんが一気にダッシュ!あっという間に稜線に消えてしまった。しばらくして「山頂着いた!」のコール。「がんばれ!がんばれ!」浅原コーチに励まされ、男4人でヒイヒイいいながら草原を詰めていく。

平ヶ岳山頂直下の草原 気持ちよかったです

平ヶ岳山頂にて
14:30とうとう、平ヶ岳山頂に到着。ビールがプシュッと開けられた。僕にとっては、初めての平ヶ岳で、遠くから眺めたとおりののっぺりした山頂だった。平らな山頂、穏やかな草原、険しいゴルジュといろいろな顔を持った山だ。沢登りをやるから感じるんだろうけど。
 山頂を踏んだあとは、いよいよ他の2パーティーとの集中である。集合場所である姫ノ池近くのテン場を目指す。木道を歩くこと20分、聞き慣れた声が聞こえてきた。長野さんの声だ。でも、長野さんと安倍くんしかいない。恋ノ岐パーティーはけが人が出て、3人が途中下山となってしまったそうな。残念。
テントを立てて、森田さん率いる平ヶ岳沢パーティーを待つ。事前の予想では、平ヶ岳沢、シロウ沢、恋ノ岐の順に到着するのではないかということだったが、全く逆になりそうである。


姫ノ池にて、恋ノ岐パーティーと集合

平ヶ岳山頂付近
ところが、待てど暮らせど平ヶ岳沢パーティーがやって来ない。これは、待つ者の宿命だが、いろいろな予想を立てて心配してしまうのであった。トランシーバーの交信時間にも反応がなく、いよいよ心配になってくる。

姫ノ池近くのもうひとつのテン場に行っているんじゃないかということで探しに行ったりもしたが、いなかった。

こりゃ集中は無理かなぁ〜と思った17:25森の中から人の声が!しかも聞き覚えのある声だ。そう、だいぶ遅れて平ヶ岳沢パーティーの到着である。これで13人が集合。一気に賑やかになった。平ヶ岳沢は予想以上に難しく時間がかかった上に、さらにブルーベリーなどを採集していたようだ。無事で何よりだった。

この晩は、飯田シェフによる、ポルチーニのリゾットである。作っているときからヨダレが出そうだったが、食べてももちろんおいしかった。

平ヶ岳パーティーも無事集合 待ちました

色づく登山道を下山
【3日目】
3時頃から雨が降り出し、本降りになる。鷹ノ巣で我々の下山を安井さんと嶋さんが待っていることもあって、6:40には下山開始。途中まではゆっくり下る。なんと下りの最中にも仁さんのザックからはビールが出てきた。
雨でちょっと憂鬱気味だった皆の表情が一気に明るくなり、350mlのビールをみんなで回し飲み。表現は悪いが、木の蜜に集まる昆虫のようで、ビールってこんなにみんなの喜びになるもんなんだなぁ〜って思いました。ビール会社の先も安泰でしょう。

下山は途中から森田さんと先行し、一気に下った。10:10に鷹ノ巣に下山。安井さん嶋さんとも合流。あとは思い思いのペースでみんな下山してきた。

雨で冷えた体を銀山平の温泉で温めて、シルバーライン入り口近くの浅原さん紹介の料理屋さんでおいしい料理を格安でいただいて帰路についた。

ひさびさにピリリと辛い沢だった。その分、木々の緑と青い空がやたらきれいに見えた。草原も素晴らしかった。
辛い食べものと甘いものを食べたかんじで、自分が甘党なことも再認識しました。沢も味覚も・・・。

2007年10月15日 記

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